[日時]2022年10月8日(土) 13:00~17:40
[会場]神奈川大学みなとみらいキャパス 1F 米田記念ホールにて https://www.kanagawa-u.ac.jp/access/minatomirai/
[テーマ]いわゆる強調の『が』について考える
言語使用者が情報伝達をする上で、なぜそこにその語を用いたのか、その語が特に文の構造に関わらない語であれば、言語使用者の意図、情意を問うことになる。
今回のシンポジウムにおいては、日本語文法において格助詞に分類される「が」に焦点を当てた。この助詞は、動詞文においては「格」の論理で文の構造に関わるが、形容詞文、名詞文においては「格」の論理を超えた関わり方をしている。このような点からすると、「が」は他の格助詞とは一線を画すると言える。また「が」は、主語表示という機能を持つとされるが、主語とは言えない文の成分に下接する場合も散見される。
中央語における「が」の歴史的変化、方言における「が」の振る舞い、現代標準語における「が」の振る舞い、これらを踏まえた上で、言語使用者の情意(いわゆる強調)という観点も含めて、総合的に助詞「が」についての理解を深めることを目的とした。
プログラム内容
[一般研究発表]
- 石出靖雄氏(明治大学)主題がないように見える文の様相―新聞社説を中心に― 概要
- 尚 暁歓氏(筑波大学大学院博士課程)「まともに」の意味と用法、及びその副詞的表現における位置づけ 概要
- 氏家啓吾氏(東京大学大学院博士課程)「時間が時間だから」構文の意味と使用 概要
[シンポジウム]
- 山田昌裕氏(神奈川大学)助詞「が」の変容―連体用法から連用用法へ― 概要
- 原田走一郎氏(長崎大学)方言に見るいわゆる強調の「が」―長崎県藪路木島方言を中心に― 概要
- 菊地康人氏(国学院大学)「が」の「とりたて助詞」的性格 概要
全体討議
プログラムは前半に3件の一般研究発表、また後半のシンポジウムでは講師3名による講演と、フロアからの質疑へのレスポンスを含めたディスカッションという形をとりました。第20回記念大会に、3年越しで対面での研究会が実現しましたこと、ご出席いただいたみなさまに深く感謝申し上げます。
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世話役:秋元美晴・志賀里美 (恵泉女学園大)・氏家洋子 (北京日本学研究センター)・竹内直也 (相模女子大)・名塩征史 (広島大)・野原佳代子 (東工大)・★山田昌裕(神奈川大) ★実行委員長
補佐役:佐藤 愛奈・澤江あや乃・中野知沙(恵泉女学園大学)、中家未優(神奈川大学)、劉 志毅・呉 慶霞(早稲田大学大学院)、尚 暁歓(筑波大学大学院)