第22回研究会「対照言語行動としての異文化・異分野コミュニケーション」2024.10

第22回対照言語行動学研究会 (22 JACSLA) 

テーマ:「対照言語行動としての異文化・異分野コミュニケーション」
現代社会では多様性、異質性を尊重することの重要性が高まっています。社会を構成する各コミュニティはそれぞれの歴史を通じ、独自の文化、またディスコースの手法を創り上げてきました。その壁を越えてコミュニケーションを図ろうとするとき、翻訳行為が必要になります。起点(原文)言語と目標(訳文)言語が、発想、語彙や文体、ジャンルなどを共有しないとき、翻訳者・通訳者は異質の知と向き合い、とまどいつつも探索、洞察を重ね、熟考し止揚し、創造的思考を展開します。これにより読者・聴者はそれまで気づかずにいた新たな知と出会うことになると言えるでしょう。今回は3つの異なる研究アプローチから、異文化・異分野の世界に住む他者とコミュニケーションを図ることの意味を、参加者のみなさまと一緒に探る機会となりました。

プログラムは前半に2件の一般研究発表と質疑応答を実施しました。また後半のシンポジウムでは、講師3名による情報提供に続き、フロアから多数お寄せいただいたご意見・質疑へのレスポンスを主として討議を行いました。対照言語行動を見つめる切り口としての異言語・異分野コミュニケーション、その際にインターフェイスとなる言語文化行為としての翻訳、発生する新たな知との邂逅と展開を、具体的事例とともに問い直しました。データとしてのテキストとそこに見つかる法則性と、主体的な人の関与と創造性とをともに考えていくことの重要性を再確認することができました。今年も無事に対面での研究会が実現しましたこと、ご出席いただいたみなさまに深く感謝申し上げます。

[日時]2024年10月19日(土)  13:00~17:30
[会場]東京科学大(旧東京工業大・東京医科歯科大)大岡山キャンパス                      石川台7号館 1階(ELSI-1 地球生命研究所 三島ホール)
https://www.ssc.titech.ac.jp/amap/home/ookayama/ishikawadai/bldg7/[対面形式]

開会:13:05-13:10

研究発表:13:10-14:15

1.安藤 薫氏(東京大・院・言語情報科学専攻博士課程1年)「言葉遊びの翻訳分析」 概要

2.アミール 偉氏(福島県立医科大)・八島 瑶氏(福島県立医科大・医学部4年)

「『訓蒙窮理図解』の天文学分野における日本語から漢文への翻訳の分析とその考察」 概要

●シンポジウム 「対照言語行動としての異文化・異分野コミュニケーション」:14:30-16:35

1.武田珂代子氏(立教大)「通訳の相互行為性、通訳者の行為主体性とパワー」 概要

武田講師

 

2.野原佳代子氏(東京科学大)

「戦後日本の異文化・異分野コミュニケーション:理科教材の日本語訳から見る初期STEAM教育の試み」概要

 

野原講師

 

3.井上 健氏(東京大 [名誉教授] )「文学の翻訳はいかにして文学となるのか:

一人称代名詞と時制の翻訳を中心に」 概要

井上講師

●全体討議 16:50-17:25

 

●閉会   17:30

  • 意見交換・懇親会 17:40-19:30(於:焼き鳥とおでん 串炊きや 大岡山店)

次回もご参加お待ちしております!ありがとうございました

 

実行委員長:野原佳代子 [東京科学大] 世話役:氏家洋子(元・北京日本学研究センター)・川瀬卓(白百合女子大)・志賀里美(恵泉女学園大)・竹内直也(相模女子大)・名塩征史(広島大)・山田昌裕(神奈川大)

補佐役:木内晶基(D1)・藤井裕加(M2)・周天朔(M1)(東京科学大 学生)