第23回研究会「言語と視覚イメージ」2025.10

第23回対照言語行動学研究会 (JACSLA23)

テーマ:言語と視覚イメージ

ロマン・ヤーコブソンによれば、翻訳は次の3つのカテゴリーに分類される。①言語内翻訳 (Intralingual Translation):同じ言語内での言い換えや要約、②言語間翻訳 (Interlingual Translation) :ある言語から別の言語への変換、③記号間翻訳 (Intersemiotic Translation) :言語から他の記号体系(音楽、絵画、映画など)への変換である。

一般的に翻訳と言えば②を指すが、本シンポジウムでは上記③に焦点を当てる。文化的文脈や非言語的要素を背景にして運用される、記号としての言葉とその翻案(今回は視覚化)との関係にはどのような特徴が見られるか。

今後の研究の方向性と可能性なども含めて、ご参加の皆さまとともに議論しました。

 

[日時]10月 4日(土)  13:00~17:30 (受付12:30)

[会場]共立女子大 神田一ツ橋キャンパス 本館地下1階B101教室 [対面形式]

[内容]

●受付  12:30-13:00

●開会挨拶 13:00-13:10

研究発表  13:10-13:40

1.「コーパスに基づく現代英語の語彙simpの意味拡張と日本語の対応表現についての考察」 山本五郎氏(法政大) 概要

シンポジウム「言語と視覚イメージ」  13:40-17:10 

・シンポジウム趣旨説明(司会)

1.「百人一首とイラスト化」半澤幹一氏(共立女子大 名誉教授)13:50-14:20 概要

百人一首に関する本にはさまざまなものがあり、中にはすべての歌をイラスト化つまり視覚化して見せることをウリにする本もある。問題にしたいのは、そのイラスト化のありようである。大きく分けると、歌人の姿を描いた歌と情景を描いた歌の2種に分けられる。なぜそのようなことが生じるのか考える。

〈休憩〉 14:20-14:30

 

2.「小説と漫画版―『坊っちゃん』―」湯浅千映子氏(大阪観光大) 14:30-15:00 概要

本発表は、『坊っちゃん』の原作と、児童を読者対象とするジュニア漫画版を比較し、「翻案」に伴う語りや台詞の言い換えに加え、漫画という媒体特有の、文字によらない視覚記号(描き文字、吹き出し等)による表現の特徴を明らかにする。

 

 

 

3.「言語と画像生成AI」茗荷 円氏(共立女子大) 15:00-15:30 概要

日本語の持つ言語的特徴に着目し、試験的かつ断片的ではあるが、日本語の文体・位相の特徴や差異を生成AIがどのように捉え、画像生成にあたってどのようなプロンプトを生成し、最終的にどう画像に反映させるのか、文学テクストを題材とし、観察する。そのうえで、文体の視覚化の意義についても検討する。

・司会から登壇者へ質問

〈休憩〉 15:50-16:10

全体討議  16:10-17:10

閉会挨拶 17:10-17:15

●意見交換・懇親会18001930(於SANKOUEN CHINA CAFÉ&DINING

次回もご参加お待ちしております!ありがとうございました

実行委員長:山田昌裕(神奈川大)

世話役:秋元美晴・志賀里美(恵泉女学園大)・氏家洋子(元・北京日本学研究センター)・川瀬 卓(白百合女子大)・竹内直也(相模女子大)・名塩征史(広島大)・野原佳代子(東京科学大